院名:横浜いずみ泌尿器科 
住所:〒231-0053 神奈川県横浜市中区初音町3-63-3 3F 
電話番号:045-325-7787

子どもの泌尿器科

子どもの泌尿器科診療

子どもの泌尿器科診療まだ成長の途中である子どもには泌尿器のトラブルが珍しくありません。排尿に問題を抱えたままでいると腎臓にダメージが及ぶ可能性があるため、早めの泌尿器科受診をおすすめしています。また、男の子の場合、包茎や包皮炎、滞留精巣など特有なトラブルが起こりやすいため、気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

精巣捻転

何らかの理由で精巣が陰嚢の中で回転し、精巣に行く血管がねじれてしまう状態です。陰嚢から下腹部への激痛を伴うことが多く、放っておくと血流障害で精巣が壊死してしまうことがあります。特に10代に多く、緊急手術を考慮する疾患です。超音波で精巣への血流を確認しますが、精巣上体炎や、精巣垂捻転、精巣上体垂捻転との鑑別が難しい場合もあります。手術が必要と判断される場合には至急連携先の病院へ紹介させていただきます。

包茎

包茎おちんちんの先にある亀頭部分が包皮で覆われたままの状態が包茎です。包皮をむく(亀頭に沿って手で包皮を下の方に動かす)と亀頭の一部が露出する場合は、仮性包茎です。赤ちゃんのおちんちんはみんな包茎で、手でむくことはできません。乳幼児の包茎は生理的包茎であり、通常は成長すると自然に包皮がむけるようになっていきます。成長後の仮性包茎もほとんどの場合、特に問題はありません。
ただし子どもの包茎は、排尿にトラブルを起こしたり、炎症を繰り返したりといった問題の原因になることがあり、その場合に治療が必要になります。治療はまずは外用療法を行いますが、外科的手術が必要と判断される場合は近隣の病院を紹介させていただきます。

注意が必要な場合

包皮口が狭く、排尿に問題を起こしている

排尿時、包皮内に尿がたまって風船のようにふくらんでいる場合、尿を出しにくい状態であり、放っておくと膀胱や腎臓にダメージを与える可能性があります。

亀頭包皮炎を繰り返す

包皮と亀頭の間は、恥垢という老廃物がたまりやすい構造になっています。そこで細菌が増殖して感染し、炎症を起こすのが亀頭包皮炎です。おちんちんを痛がる、おちんちんの先が赤く腫れている、膿が出る、おしっこの時に痛がるといった様子があったら、ご相談ください。

嵌頓包茎(かんとんほうけい)

嵌頓包茎は、包皮が何かの拍子にむけてしまい、その後勃起することで包皮が戻らなくなって亀頭が強く締め付けている状態です。亀頭のむくみ、痛みがあります。手で戻すことができない場合には、速やかに泌尿器科を受診してください。

亀頭包皮炎

男の子に多い泌尿器疾患で、「おちんちんが痛い」と訴える場合、多くはこの亀頭包皮炎です。亀頭とそれを包んでいる包皮の間に細菌が感染して炎症を起こしている状態です。包皮に赤みや腫れがあり、おちんちんに触れる・おしっこをする際に痛みを訴え、おちんちんの先から膿が出てくることもあります。乳幼児の包皮と亀頭は癒着しており、むけるようになるのは成長してからです。そのため、包皮と亀頭の間に老廃物などがたまり、尿で汚れるため細菌が増殖しやすい状態です。炎症を起こす細菌はほとんどが表皮ブドウ球菌や連鎖球菌という常在菌です。小学校に上がるくらいまでは抵抗力が弱いため特に起こりやすく、中学生くらいになるとほとんど起こらないようになります。問診と視診で判断でき、膿を出してきれいにしたうえで抗菌剤の軟膏を塗布します。炎症が強い場合には内服の抗菌剤を用いることもあります。再発しやすいため、治った後は入浴時にむいて中をきれいに洗う習慣をつけ、汚れた手でおちんちんを触らないようにしてあげましょう。

停留精巣

陰嚢には精巣(睾丸)が2つ入っています。滞留精巣は陰嚢に精巣がない状態で、2つともない場合もありますが、片方だけある場合もあります。胎児の時、精巣はお腹の中にあり、誕生を控えた時期に通常は下に降りてきて精巣内におさまりますが、滞留精巣はそれが降りてきていない状態です。予定日で生まれた男の子100人で3人にみられる頻度の高い先天的な異常であり、早産の場合は頻度が上がります。陰嚢に精巣が触れない場合も、入浴時などリラックスした状態になると精巣がわかるようになることもあります。精巣は熱に弱く、停留精巣を放っておくと、精巣が体温によってダメージを受け、精子形成に障害を起こします。生後半年以降自然と降りてくることはありませんので、手術を検討する必要があります。ただし、精巣を引っ張ると陰嚢まで下りてくる場合には「移動精巣」と言い、通常治療の必要はありません。年齢とともに陰嚢内におりてくることがほとんどです。

膀胱尿管逆流(VUR)

尿管と膀胱の間には逆流を防ぐ仕組みがありますが、それが正常に働かないと排尿時に膀胱へ圧力がかかった際に尿が尿管に逆流を起こします。膀胱内の尿に含まれる細菌が尿管や腎盂まで遡って腎盂腎炎を繰り返し、腎機能障害を引き起こします。お子さんが原因不明の発熱を繰り返す場合にはこの病気を考えて一度調べる必要があります。原因は、膀胱と尿管の接合部の先天的な形成不全です。当疾患を疑った場合には小児泌尿器専門医のいる連携病院をご紹介いたします。膀胱に造影剤を注入して行う排尿時膀胱尿道撮影により尿の逆流の程度、腎盂・腎杯の拡張、尿管の拡張・蛇行などを評価し、それに合わせた治療を行います。成長によって逆流が改善することもありますので、経過を観察しながら手術が必要かどうかを見極めます。重要なのは、腎機能の保護で、感染を起こさないように予防的な抗生剤の服用を行うこともあります。

おねしょ・夜尿症

おねしょ・夜尿症赤ちゃんは排尿のコントロールができませんが、成長とともにおしっこを膀胱にためる量が増加しておねしょをしなくなります。おねしょの発生頻度を年齢別にみると、5歳で20-25%、6歳で15-20%、10歳で約5%、15歳で約1%とされています。男女比では、女子より男子の方が1.5~2倍おねしょの発生が多いとされています。夜尿症は小学校入学以降におねしょが続く状態を指しますが、小学校入学時にはまだ10人に1人は夜尿症があることになります。原因としては①夜間の抗利尿ホルモン分泌が少なく、夜間多尿になっている②膀胱が過敏になっている(排尿筋過活動)③覚醒の域値が高い(おしっこしたくても起きられない)④膀胱の容量が小さい、などが考えられますが、生活リズムの乱れや心理的なストレスもおねしょを起こす大きな原因です。

治療

成長のスピードには個人差があり、ほとんどの夜尿症は成長につれて改善していきます。おねしょをする要因のひとつにストレスが関与することもありますので、昔から言われるように「叱らない」「起こさない」「あせらない」は重要です。ただし、おねしょが小学校入学以降も続くと、合宿や旅行などの外泊がコンプレックスにつながる可能性があります。したがって、このタイミングで治療を検討する場合が多いです。治療には抗利尿ホルモンの投与、おねしょをした場合にアラームでおこすアラーム療法などがあります。

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